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藤学園創立100周年記念

藤学園(現 藤天使学園)は、2025年に創立100周年を迎えます。

1907年にカトリック教会の宣教師として、フランシスコ会司祭が4人札幌に到着し、広い北海道における宣教活動を始めました。当時の北海道は、屯田兵制度が始まってから約30年程度という開拓途上の地でした。

ヴェンセスラウス?キノルド司教
ヴェンセスラウス?キノルド司教

函館以北の宣教を委ねられたフランシスコ会の宣教師たちの責任者は、ヴェンセスラウス?キノルドというドイツ人司祭でした。彼は、北海道の未来は教育活動にあると考え、男子および女子の教育を行う修道会をヨーロッパから招こうとしました。

女子教育のためにその招きに応えようとしたのが、殉教者聖ゲオルギオのフランシスコ会という北西ドイツの寒村に生まれた女子修道会でした。4人の修道女が札幌へ向けて出発したのが1914年7月でしたが、船がスエズまで来た時に第一次世界大戦が勃発したため、旅を継続することができず、やむなく中断となりました。

1918年11月の戦争終結を待ち、ドイツ国内状況もある程度安定してきた1920年に再度出発することになり、3人の修道女が遠い日本の第二の故郷となる札幌に向かって出発しました。

慣れぬ環境で難解な日本語習得に努めながら開校の準備をしましたが、1923年の母国ドイツにおけるハイパーインフレーションのため、資金調達に困難を生じ、日々の生活さえも困難になりました。学校開設を諦めてドイツに戻るようにとの本部からの手紙もありましたが、キノルド師のお陰でドイツ人司祭を一人アメリカに派遣していただくことができ、寄付集めに2年間専念していただくことができました。

その結果、学校開設に必要な資金がほぼ目処がつき、1924年8月には5年制の札幌藤高等女学校学校開設の認可申請書を文部省に提出しました。設立者は「日本札幌教区天主公教宣教師社団 理事長 ヴェンセスラウス?キノルド」となっていました。

Sr.クサヴェラ?レーメ他3名の修道女
Sr.クサヴェラ?レーメ他3名の修道女

1924年12月24日に文部大臣から設置認可が下り、翌1925年4月1日の開校です。4月8日に第1回入学式が挙行され、年齢もさまざまな157名の一年生が入学しました(入学定員150名)。しかし、当時の生徒たちは栄養状態?衛生状態など、育つ環境が現在より遥かに厳しかったようで、肺結核や脳の病気になる生徒たちが多数死亡したり、また、家計の急変などのために退学する生徒たちも多く、157名の入学者のうち5年後に卒業したのは117名でした。

これまでの100年の間には、さまざまな喜びや悲しみ、そして試練がありましたが、どんな時にも神様が共にいてくださったことを心から感謝いたしております。

そして、これまでご支援くださった多くの方々、特に保護者の方々、更に共に学校を築いて歩んでくださった教職員の皆様に心からお礼を申し上げます。これから第2世紀を歩み始めるにあたって、厳しい将来が予想されますが、今後ともどうぞよろしくご指導をお願いいたします。